2017年6月21日

その手で何をつかむ?

先日、久しぶりにマッサージに行きました。
贅沢。贅沢。
本当に幸せ~。

1時間ちょっとで、ずいぶんと生き返りました。

とても明るいマッサージ師さんで、1時間ずっと喋っていたのですが、ピアノを弾くことを伝えると「腱鞘炎になりませんか?」と聞かれました。
ピアニスト=腱鞘炎と思われる方が多くいらっしゃるのですが、正しい姿勢、正しい力のかけ方で演奏をすれば、体を痛めることはないはずです。

脱力した状態の関節は、少しずつ曲がっています。
その自然な形のまま弾きます。

腕の重みを鍵盤に乗せるだけで、ちゃんと音は出ます。
鍵盤を押し込む必要も、体重をかける必要もありません。

ピアノの鍵盤は、50g程度、重くても65g程で沈みます。
これを「ダウンウェイト」というそうです。
腕の重さだけを測ったことはありませんが、65g以上ありますよね…

これは、物理的に鍵盤が沈む重さであり、タッチの重さの感覚とはまた違う話です。
タッチの重さの感覚には、「アップウェイト」といって、鍵盤が押された状態から持ち上がる力(元の位置に戻るg数)も関係するようです。
同じダウンウェイトの時に、アップウェイトが20gと25gのそれぞれの場合、25gの場合の方が早く鍵盤が戻るということになるので、軽く感じるのではないでしょうか。
そして、もちろん、ピアノの作りやサイズ、音色、空間、湿度、温度など、他にもいろんなことが、タッチの重さの感覚に関係してきます。

ちなみに、鍵盤の重さを量るには、分銅を乗せるようなのですが、10円玉(1枚4.5g)を乗せるとだいたいの重さを量ることができます。
鍵盤は、低音部ほど重く、高音になるにつれて軽くなります。

音を出すだけなら、ネズミが鍵盤の上を歩いても音が出るわけですが、良い音で演奏したい!
そのために必要な筋肉。
筋肉は、鍵盤を押すために使うのではなく、支えるため、制御するために使います。

小指の筋肉。
最低音と最高音を担当する、両手の小指。
弱い指なのに、任されているのはとても重要なパートです。
私は、高校の3年間で、みっちり小指の使い方を教わり、筋肉をつけました。
手のひらがゴツくなりました…

そして背筋。
ピアノを弾く時は、背中を丸めて前のめりになりながら演奏するイメージがあるかもしれませんが、基本はまっすぐ。
前に傾くというよりは、支える方に使います。

そして、効率よく体を使い、良い音を出すために、椅子の高さが非常に重要です。

ピアノを弾く手の形、私は「シュークリームをつかんだ手で弾きましょう」と教わりました。
シュークリームをつぶさないように!と言われましたが、当時はまだ4~5歳の子ども。
大きなシュークリームを持ちながらでは鍵盤に指が届かない…
つぶして弾く意外に方法はあるのか?と、結構真面目に悩んでいた記憶があります。

「卵をつかんだ手」や「猫の手」などの伝え方もあるようです。
ちなみに、指を伸ばして弾いてしまう人へのアドバイスは、指の第一関節にケチャップを塗ってあげて(もちろん想像で)、鍵盤にケチャップが付かないように注意してもらう方法が、今のところ一番効果的な伝え方です。
特に子どもさんなんかは「あー!鍵盤が赤くなっちゃうー!」と言うと、なかなか効果的です。

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